クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが 1789年9月29日に作曲したクラリネットと弦楽四重奏のための室内楽曲。友人アントン・シュタードラーのために作曲され、「シュタードラー五重奏」と呼ばれることもある。同年12月22日にブルク劇場でシュタードラーのクラリネットにより初演された。
モーツァルト : クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581の曲の構成
4楽章からなる。演奏時間は30分程度。
第1楽章
アレグロ イ長調 4/4拍子、ソナタ形式。ヘルマン・アーベルトが「雲のない春の朝」と評した清明な弦楽の旋律にクラリネットのアルペジオが応えて始まる。第二主題は第一ヴァイオリンに提示され、クラリネットに引き継がれる。展開部では主に第一主題を扱い、形通りの再現部が続く。全体的な色調は明るいが響きは頻繁に短調に傾き、それが作品に深い陰影を与えている。
第2楽章
ラルゲット ニ長調 3/4拍子、三部形式。協奏曲のそれと似た性格を持つ、きわめて美しい緩徐楽章。クラリネットと弦楽が豊かに絡み合う。
第3楽章
メヌエット イ長調 3/4拍子 – トリオⅠ イ短調(クラリネットは休止) – トリオⅡ イ長調。対比的な性格の二つのトリオを持つメヌエット。
第4楽章
アレグレット イ長調 4/4拍子、変奏曲形式。軽快な主題に4つの変奏と表情豊かなアダージョ(第5変奏)、アレグロ(第6変奏またはコーダ)が続く。
Richard Stortzman with Tokyo String Qualtet
Karl Leister with The Vienna String Quartet
Karl Leister with アマデウス弦楽四重奏団
“ドイツ・グラモフォン・ザ・ベスト1000″シリーズ。クラリネット奏者、カール・ライスター、ベルリン・フィルハーモニー・ゾリスデン、アマデウス弦楽四重奏団による、モールァルトとブラームスの「クラリネット五重奏曲」を収録した、1965、67年録音盤。
Peter Schmidl with New Vienna Octet
クラリネット奏者ペーター・シュミードル、ウィーン八重奏団によるモーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏曲を収録した作品。モーツァルト「クラリネット五重奏曲 イ長調K.581」、ブラームス「クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115」を収録。 (C)RS
Alfred Prinz with Wiener Kommer Ensemble
弱冠15歳でウィーン国立歌劇場に入団し、1995年の定年退団までウィーン・フィルの顔として、楽団の黄金時代を支えた名クラリネット奏者が、気心の知れた仲間たちと残した不滅の名盤。
- モーツァルト: クラリネット五重奏曲 イ長調 K.515
- ブラームス: クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
アルフレート・プリンツ(クラリネット)
ウィーン室内合奏団 [録音:1979・80年ADD]
レコード芸術推薦 ※高音質「ブルースペックCD」仕様