ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K. 467 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが1785年に作曲したピアノ協奏曲。モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも人気が高い作品のひとつであり、第2楽章が1967年のスウェーデン映画『みじかくも美しく燃え』に使われたため、この映画の原題となった主人公の女性綱渡り師の名をとって、近年は『エルヴィラ・マディガン』の愛称で呼ばれることがある。
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467の曲の構成
全3楽章。演奏時間は約28分。
第1楽章 アレグロ
ハ長調、4分の4拍子、協奏ソナタ形式。
行進曲のようなリズムでオーケストラが第1主題を提示すると、それまで伴奏をしていたピアノが独奏的に上昇句で入ってきて、79小節目でアインガングが奏される。装飾的なピアノとの協奏により第1主題が再び提示されるが、その後一転してト短調に変わる。この動機は同作曲家の交響曲第40番の第1楽章に非常によく似ている。その後はト長調へ明転し、ホルン協奏曲第3番に似た清らかな第2主題をピアノが示す。調はそのままに、第1主題のリズムで、ピアノにオーケストラが対位法的に掛け合い、提示部を終える。
展開部は夜想曲のようなホ短調で始まり、主にピアノを中心として、いくつかの調を渡りながら展開していく。
再現部に入ると、まず第1主題ののち、第2主題が再現する。その後再び第1主題を展開的に再現すると、第1主題の提示部に見られたような流れるような旋律を木管が歌い、それをピアノが引き継ぐ。主題のトゥッティに挟まれ、396小節目にカデンツァがある。それが終わると再び冒頭の旋律に戻り、静かに終わる。
第2楽章 アンダンテ
ヘ長調、2分の2拍子、三部形式。
第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ
ハ長調、4分の2拍子、展開部のないソナタ形式。
内田光子 & イギリス室内管弦楽団 & ジェフリー・テイト
Mitsuko UChida – Mozart Piano Concertos CD, ボックスセット, インポート
【収録曲】
<1>ピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175、<2>第6番変ロ長調 K.238、<3>第7番ハ長調 K.246『リュッツォウ』、<4>第9番変ホ長調 K.271『ジュノム』、<5>第11番ヘ長調 K.413、<6>第12番イ長調 K.414、<7>第13番ハ長調 K.415、<8>第14番変ホ長調 K.449、<9>第15番変ロ長調 K.450、<10>第16番ニ長調 K.451、<11>第17番ト長調 K.453、<12>第18番変ロ長調 K.456、<13>第19番ヘ長調 K.459、<14>第20番ニ短調 K.466、<15>第21番ハ長調 K.467、<16>第22番変ホ長調 K.482、<17>第23番イ長調 K.488、<18>第24番ハ短調 K.491、<19>第25番ハ長調 K.503、<20>第26番ニ長調 K.537『戴冠式』、<21>第27番変ロ長調 K.595、<22>コンサート・ロンド ニ長調 K.382
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Rudolf Serkin, Claudio Abbado and London Symphony Orchestra
ルドルフ・ゼルキン & ロンドン交響楽団 & クラウディオ・アバド
Vlademir Ashkenazy with Philharmonia Orchestra
- 1) ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 K.456 1984年録音
- 2) ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466 1983年録音
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Friedrich Gulda and Claudio Abbado
1930年ウィーン生まれのグルダは、14歳でリサイタルを開き、16歳でジュネーヴ国際コンクールに優勝するなど、早くから世界的に活躍した正統派ピアニストながら、20代からジャズにも傾倒、言動も含め鬼才・反逆児としてさらに注目を集めました。アバド&ウィーン・フィルとのモーツァルトは、王道的なオーケストラに乗って感興豊かな演奏を展開しています。 (C)RS